御苑の散歩者

空と塀

雲の作り出す模様が美しい。

病み上がりで久々に散歩に出る。梅の花が咲いている。まだ花が咲いていない木も多くある。一歩一歩足を踏み締める。砂利の感触が靴底を通して伝わる。今日は割と晴れているようで、薄い雲が空高くかかっている空模様だ。上空を中形プロペラ機が飛んでいく。北西から南東に向けて風が吹き、上空の雲は美しい模様を描いている。トンビが悠々と空を飛んでいる。

日射しの柔らかい暖かさと冷たいそよ風が流れる御所の堀には、黒と白の模様で着飾った小鳥が餌を求めてやって来ている。御所を囲む塀は何度となく塗り替えられ、組み直されて今も昔の姿を留めている。この壁は、数えきれないほどの足音を聞いて来たのであろう。