2004年02月24日

鳥の空間

我々にとっては何でもないものでも、他のものにとっては貴重なものである事は多々ある。

今日は曇りだった。風もほとんどなく、落ち着いた一日だった。いつもより早く散歩を始めたので、今日は遠回りで行く事にした。一番遠回りのコースでは、ほぼ京都御苑の中の一番外側の道を通るのだが、今回は外回りの大きな道をメインに進む事にした。

京都御苑には多くの人々が梅の花を見に来ていた。これからもっと多くなる事だろう。その影響で鳥があまり降りて来ないのがちょっと残念だ。ちょっと静かな小道に入ると、地面からスズメが1匹飛んだ。よく見るとその周りには沢山のスズメがいた。枯れ葉の色と紛れて気がつかなかった。今さらながら、スズメの保護色が枯れ葉に似せられているのを発見した。

京都御苑の東側には「梨木神社」という神社があり、遠回りする時は大抵ここを通る。ここにはわき水があり、京都の名水の1つとして有名らしい。ポリタンクを持った人が水を汲みに来る光景がよく見られる。京都御苑の中にも井戸の跡が幾つか残されているが、それらは現在では飲めなくなっている。

この神社と京都御苑の間には鋪装されていない道があり、その上を木々の枝が包み込むようにアーチ状になっている。夜は暗いのでちょっと無気味だが、昼間に穏やかな木漏れ日の中を歩くと、緑の光に包まれて気持が良い。神社で飼われている犬が放し飼いで、突然吠えに出てくる事があるので、ハナコはこの道をあまり好きではなさそうだ。

途中で休憩して、ベンチに腰掛けた。カラスが二羽、枝に連れ添って静かにとまっていた。カップルなのか、たまたま隣にとまっただけなのか、しばらく並んでじっとしていた。一匹が木の上に移動する。姿が葉っぱに隠れて見えなくなったと思ったら、今度はハトが中から飛んで出てきて、隣の木に移動した。カラスが威嚇したのか、はたまたハトが吃驚したのか。木は一本で一つの空間を形成しているのだ。木は我々にとっては一つの物体でしかないが、鳥にとっては一つのビルディングのようなものなのかも知れない。

帰り際、大宮・仙洞御所のあたりに、皇宮警察の消防車数台が回転灯をつけて止まっていたが、訓練でもしていたのであろうか?

Posted by ガスパーチョ at 2004年02月24日 23:59 | トラックバック
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