2004年02月27日

都会の空

空だけは、どんな都会に住んでいようと見る事ができる自然だ。空の美しさを忘れないでおこう。

今日もまた、空は晴れ渡っていた。門を潜ると、犬の小便の跡があった。まだ乾いていない。文化財と言えども、犬にとっては電柱と同じく単なる木でしかない。飼い主なら無理矢理引っ張るなりして止めさせなければならないと思う。困ったものだ。

外部の自動車の騒音が聴こえるにしても、苑内は静かで落ちついた雰囲気だ。とは言うものの、今日もやはり梅の花見物の客で賑わっている。もっと町中にこのような空間があると、こんな世知辛い世の中にはならないのではなかろうかと思ってしまう。勿論原因はそんな事では簡単に解決しないのだが。

現代の都市機能は、大人が働く事に最適化され過ぎている。人間の本来の理想とは何か?仕事でお金儲けだけしていれば良いのが理想だったろうか?否、食い逸れる事なしに、危険がなく、貧富の差がなく、喧嘩がなく、仲良く楽しく支えあって暮らす事が、本来の理想ではなかったろうか?ならばもっと、理想に合致した作りにしなければいけない。効率のみではそのような理想から離れるのはわかり切った事だと思うのだが、誰もあまり見直さない。不思議だ…。

大文字が阪急電車のような赤紫色に染まっている。普段なら、光の加減でそう見えると考え、依然として山は緑だと考えているが、見えるのは確かに赤紫の山。何だか不思議だ。夕暮れは、太陽が見せてくれる不思議な芸術だ。

本当は毎日こんな素晴らしい芸術に囲まれているのに、自分では気づかない。何十年も生きてきて、子供の頃に感じた感動を忘れ、当たり前に無視して生きている。実にもったいない。いつも自然の美しさを忘れないようにしたいものだ。どんなに町中にいても、空だけは必ず見る事ができる自然だ。空を通して自然の美しさを忘れずにいようと思う。

Posted by ガスパーチョ at 2004年02月27日 23:59 | トラックバック
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