2004年04月13日

気が沈む日

一〜二ヶ月に一度、どうしても気持の落ち込みが治らない時がある。

情報が交錯しているイラクでの日本人誘拐事件。左の陰謀だの右のせいだの、今の日本はまるで冷戦時代の再来である。特に被害者家族に罵倒する神経が信じられない。しかも当の本人達は、自分達こそが正常だと信じ切っている節がある。日本人はどうしてしまったというのか。

思い込みや先入観による決めつけ、簡単な結論に飛びつきたがる心で、勝手に結論を出し、勝手に言葉の制裁をする。妄想と現実の区別もない史上空前の大争乱。一部の日本人の心のなさに私は絶句した。

全員興奮状態のまま、理屈っぽい憶測を信じて情報に振り回される。しかも自分までその渦に巻き込まれようとしていた。心無い憶測・罵倒の氾濫と、自分の冷静さの足りなさに落ち込んでしまった。

昨日からこんな調子だから、なかなか心が落ち着かなかった。自分はブッシュとビンラディンが作り出した「集団幻想」か「夢」の中にでもいるのであろうか?霧の中か闇夜にいるかのような気分だ。美しい京都御苑の風景も、私の頭の中のもやもやを消し去る事が出来ない。苦悩の陰に隠されてしまう。

このような状況を憂いながらも、まだその情報に影響され続けている自分がいる。ただの取るに足らない意見を見ただけの話であるにも関わらず。しかしそんな風にはなかなか考えが運ばれない。

心を身体の動きに集中させる事にした。身体の存在に意識を向けて、散歩に集中する。努力の甲斐あって、幾分心が安らいだ。しかしいつもの状態には戻れなかった。どうしても苦悩が心から離れない。脇に置く事も難しい。嫌な奴が存在する事実が受け入れられないのであろう。自分の見たくない事を延々と見るのは辛い事だ。

今日はこれまで。こんな心でも、紅葉の若葉はやはり美しいと思う。

Posted by ガスパーチョ at 2004年04月13日 23:59 | トラックバック
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