2004年06月02日

バランス

京都御苑の中を南側にある堺町御門から眺めると、2〜3種類の樹木が組み合わされて芝生の中に立っている風景を見る事ができる。季節毎に色々な姿を見せてくれて、なかなか面白い。

それらの樹木の中に、夏蜜柑の木がある。春からずっと黄色い実を付けていたのだが、最近になってどうやら食べごろになったようだ。烏が地面に散らばった蜜柑の欠片を突ついていた。その近くでは猫がのんびり観察していた。

それは命の循環の一場面。昔むかし、全ての動物はそこにあるものだけを食べていた。人間もそうしていた。しかし死ぬのが怖いので、食べ物を溜め込むようになった。足りないものと余ったものを交換する事で、生存率が高まり、安心感も高まった。溜め込む安心から所有欲が増幅した。沢山溜めればもっと幸せかも知れない。そして他人の物を少し盗んでみた。すると自分も盗まれるのではないかと怖くなり、猜疑心に囚われるようになる。もっと溜めればかすめ取られても痛くない。取られる前に取ってしまえ。そして戦争の時代が始まった…。

そういえば先日はおじさんが梅の木を揺すって実を落としているのを見た。今の人間が一斉に狩猟採集時代の生活を始めるとどうなるだろうか。想像するだけでも恐ろしい。人間が圧倒的に多過ぎる。田畑が少な過ぎる。森も少な過ぎる。

では最善のバランスとはどんなものか。狩猟採集でも何とか全員で暮らせて、適度に田畑を耕し、贅沢せずになるべく調理せずに食べる。かなりの森林増加と人口の減少が必要だ。実現するにはかなりの年月が必要なようだ。

Posted by ガスパーチョ at 2004年06月02日 23:31 | トラックバック
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