御苑の散歩者

思考を自動化する脳

今日は曇りだった。そして私の脳内もちょっと曇り気味だ。

冷え込みは多少落ち着いているようだ。うちで飼い始めて以来ずっと散歩をしているが、いつまで経ってもハナコは他の犬のいる所を怖がっている。犬は人間と違って、実際に体験しない限り学習出来ないという事だろうか。

人の場合はある程度の経験を積めば、ある程度の情報で状況を予測し、状況をある程度理解する事はできる。もちろんそれは推定の域を出ないので、犬と同じように体験しないと本当の事はわからないのだが、大体の事は予想出来る。

人間の脳は様々な事を自動化する素晴らしい能力があるが、脳ばかりにも頼っていられない。予想外の展開というものは人生につきものだからだ。だが今の社会は脳依存のようになっているような気もする。欲望に踊らされるのも、自動化された脳の活動だけで解決しようとするからだ。そう言えば養老孟司教授も自身の著書でそのような事を書いていたな。

特殊で高い能力を持つ事で幸せになるとは限らない。使い方を心得なければ宝の持ち腐れになる。下手をすれば間違った使い方で事故を起こす。現代の人類の多くもそっちが多いのではないだろうか。私もなかなか生活習慣を変えられない。脳の使い方の研究の日々はまだまだ続く。