神様と私

繋がっていないものはない

全ては何らかの形で繋がっている。完全に切り離されたものなど存在しない。人はあれこれ分類するのを好むが、それは目立った特徴を言い当てているに過ぎない。人の知らない所で分類したその中間の存在があるかも知れない。見かけとは違って逆の性質を備えたものもある。分類の視点では推し量れないものが、この世の全てには隠されている。

貴方と外界の境界線だって曖昧なものだ。貴方は食べ物を食べ、排せつする。それらのうちの幾割かは身体を形成する細胞に変わって行く。それを何十年も繰り返している訳だ。骨の細胞でさえ、数年経てば完全に入れ替わるという。

入れ替われば私達は死ぬのか？死なないならば、全く別のもので作られた貴方の身体は何なのか？貴方はあらゆる命の複合体である。あらゆる命はあらゆる命の複合体である。もっと言えば、貴方は地球の物質の複合体、結晶であり、地球の一部分なのだ。地球でさえ、宇宙の複合体なのである。

貴方の身体は大海原に浮かび上がる波のようなものだ。星が集まって地球が出来、長い時間をかけて空と陸と海が出来た。また長い時間をかけて、物質から微生物やウィルスが誕生した。そこから我々の命に発展していった。これら全てに、動きが関係している。海の波や大気のうねりや大地の循環と同じものから生命が生まれているのだ。

その動きは分子や原子などの動きから派生したものである。宇宙が動くのも、地球があるのも、貴方が生きているのも、全ては原子や電子などを動かしている振動、つまり波から出来ている。貴方は自分で動いているつもりだろうが、貴方を動かしているのはこの波である。

だとすれば、貴方とは何か？私とは何か？生命とは何か？物質とは何か？これらの分類は、宇宙の表面をなぞったものに過ぎない。小指の爪の右端が、宇宙観測と称して爪の真ん中と爪の左端を調べて、「これは私ではない」と言っているようなものだ。小指の爪のどの部分だろうが、人間の一部分だ。貴方も宇宙の一部分である。分類は、生活上の便宜的措置に過ぎない。

全ては一体であり、一つのものである。分断する事は出来ず、繋がっていないものはない。現在得られる知識を総合すれば、この事は明らかなはずだ。