2004年02月19日

木々に歴史あり

京都御苑には至る所に大木がある。倒木をわざと倒したままにしている所もある。いつの間にか植えられる木や、切り株になってしまうものもあったりする。

今日はまたさらに遅い時間になってしまった。午後5時を過ぎたので、既に夕焼け真只中の時間である。今日は昨日と同じく晴れ渡っている。雲一つない。なぜか今日は飛行機を全く見なかった。「ゴー」という音もしない。はたして30分違うだけで、こうも飛行の頻度が違うものだろうか?

梅の林の片隅に、ベンチに座る為の空間が備えられている。そこには幾つかの木々が植えられているが、その中の二本の松が、痛々しい姿を晒している。どちらも昔、雷に撃たれて幹を引き裂かれてしまったのだ。赤松は十数年程昔に落雷に遭っていて、その隣の黒松は数年程前に落雷に遭ったものだ。

赤松の方は中身が既に空洞化していて、幹が筒のような姿をしているが、今でも元気に枝を伸ばしている。黒松の方は、傷口がどんどん開いてきており、幹の部分も少しずつ崩壊しているようだ。その崩れ具合が進行していくのがわかるので、実に痛々しい。赤松より幹の裂け方が激しく見えるので、これからどうなるのか、ちょっと心配だ。

京都御苑には至る所に大木がある。自分が産まれるよりも遠い昔に植えられたものや、京都御苑として整備される以前から元々その土地に植わっていたものが、今に残っているのだろう。彼らも少しずつ成長を続けているのだと思うと感慨深い。彼らも我々と同じく生きていて、何十年、百数十年も生き続け、人々の生活を見守ってきたのだ。言葉では語らぬが、彼らも時代の生き証人。木々に歴史ありだ。彼らと会話出来たらどんなに面白い話が聞けるだろうか。

今日はカラスぐらいしか鳥を見なかった。みんな寝床に帰ってしまったようだ。犬も散歩の時間から少しずれているのか、それほど出会わなかった。犬といえば、昨日は犬にフリスビーをキャッチさせる訓練をしている人を見かけたが、今日は三人集まって人間同士でフリスビーを投げ合っていた。この人はいつも三匹連れていて、今日はそこへさらに二〜三匹加わっている。しかも犬達はフリスビーをしたくて仕様がない。だからそれぞれ大声で激しく吠えている。

恐がりのハナコには堪ったものではない。腰が引けて、すぐにでもここを離れないと何をされるかわからないという感じで、必死にこの場から遠ざかろうと、急ぎ足で歩く。鎖や紐の有無が判断出来ないからなのか、鎖や紐が信用出来ないだけなのか、もうとにかく必死である。お尻の辺りを足で軽く小突くと、驚いて体をビクッとさせる。ちょっと情けない。

帰り道で一番星を見つけた。そういえばブラックホールが恒星を飲み込む想像図が新聞で紹介されていた。それを見たうちのばあちゃんが一言。

「七億光年?そんなに離れてたらウチらには関係ないな」

ごもっとも。

Posted by ガスパーチョ at 2004年02月19日 23:59 | トラックバック
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