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不安に苛まれるのは、まだ来ない未来を恐れ、ネガティブな側面を心配して準備しなければならないと考えるからだ。現代人は、…特に貴方は考え過ぎる傾向が強い。考える事を何よりも重視し、頭の中こそが自分であると勘違いをしている。科学だの知性だのと頭（＝脳味噌）をもてはやしているが、頭は人間の一部に過ぎない。人間の中心は頭にはなく、心にある。心は脊椎に繋がり、脊椎の先端に頭が備わっている。頭はあくまでも情報端末である。人間は身体の全てが人間なのであって、頭だけで生きるのではない。頭は道具の一つである事を忘れるな。頭は意識的に使わずとも、自動的に考えるように出来ている。だから考える必要はない。大事なのはむしろ、観察する事である。
探偵も警察も、事件を解決するには鋭い観察力が重要だ。幾ら犯人がアリバイ作りの理屈を思いついても、彼らは鋭い観察で理屈の隙を見抜く。犯罪を犯す者は、頭の混乱によって犯罪を起こすが故に、周りの状況を観察する能力が低下している。恐怖や不安に囚われているが故に外部からの接触を恐れ、既存の知識を働かせて自分の脳内だけで解決を行なおうとする。その結果、脳内にでっち上げられた幻想の中を彷徨い、ますます現実に対処出来なくなる。
現代社会の全体を見渡しても、犯罪者と同じように多くの人々が幻想に身を浸しながら生きている。情報化社会の中では過度の情報が流され、必要以上に頭を使う状況を強いられる。情報ビジネス全盛の時代においては、価値も評価もすべて頭の善し悪しにかかっているという幻想が出来ている。頭は確かに重要だが、頭が全てではない事を忘れるな。頭はあくまで分析のツールに過ぎない。
不安に苛まれる時、人生がわからなくなった時、そんな時は考え過ぎて脳内幻想の迷宮に迷い込んでいる。ゆっくり深呼吸をして、頭にばかり向いていた意識を心臓の辺りに向け、自分のハートを注目しよう。自分の頭ではなく心がどう感じて、何を欲しているのかを落ち着いて見つめ直そう。
貴方の本質のある場所は頭ではなく、心だ。迷った時は意識を心に戻し、一旦考える事をやめてみなさい。そして自分の心を感じて、次へと進んで行きなさい。貴方の答えは貴方の心の中にある。