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幾ら嫌いな相手を排除しようが、嫌な状況から逃れようが、何も解決した事にならない。あなたは今日、２つの映画を見た。人々の世界の歪みをまざまざと見せつけられた。敵兵士を撃ち殺すチャンスを奪われ、泣きわめいて悔しがる兵士…戦争とは無縁な状態から見れば、どんなに異常な事かわかるであろう。暗殺者を暗殺する事が愛国的行為であり問題の解決策と考えて活動していた男が暗殺者に狙われ、両者それぞれの立場を理解して戦いにいうんざりする。敵や悪があなたの外側にいるという考えが如何に愚かであるかを改めて感じる事が出来ただろう。
それに引き換えトリノのオリンピック開会式の式典は何と平和的雰囲気だったであろうか。オノ・ヨーコを始めとする真摯な平和のアピール、国籍に関係なくスポーツにベストを尽す同志として集まった世界中の選手達。確かにそれぞれの人々の熱い思いがこもった素晴らしいエネルギーを発していた。そこには人間の本質が表われていた。世界の可能性があなたには見えた事だろう。
誰もが本当は誰とでも仲良くなりたがっている。親しく交流し、互いに助け合い、様々な経験を行なって行く事こそ、人が人として生きる目的である。だが問題を起こす原因を外面のみに求め、早く解決したいが為にあらゆる責任を原因と思しき存在に擦り付けるが為に問題は泥沼化する。感情的で性急な行動を取る為に問題が解決出来ないでいる。怒りをぶつければ物事が解決した事になると思い込んでいる。
人は知識を積み重ねて大人になったつもりでいるが、感情面では丸っきり子供のままである。結果という、人間が勝手に考えた印を見て、それが起こった問題の起点となる現象やそれに関わる存在を原因の印でひと括りにし、全ての問題がその原因から発すると考える。自分の解釈や考えの矛盾、感情に振り回されて意識を弱めた状態に関してはほとんど考慮に入れない。
現実を拒絶する事で物事は解決しない。嫌う事で原因は消え去らない。おかしければ直せば良いだけの事である。間違った行動を示す人がいたなら助けて正しい方向を示せば良いのである。あらゆる結果の存在を認め、覚悟しなさい。その上で問題を解決して行く事が、世界平和の第一歩なのだ。人間には本来、皆と助け合い、仲良く分かち合いたいという性質がある。外部の敵として現実を拒絶する抵抗をやめなさい。幸福も不幸も、成功も失敗も、生も死も、人生に必ずなくてはならない要素なのだから。
また、最終的には全てあなたの決断次第である事も忘れてはならない。あなたの決断がなければあなたのありとあらゆる意思は実行に移される事はない。物事も解釈次第で大きく見え方が変わってくる。つまり、すべてはあなた次第である。そして、あなたが感じる事、考える事、すべてあなたの責任であり、あなたが原因である事を示している。
あなたが見たり聞いたり感じたりする全ては、実はあなたというフィルターを通した世界であり、あなたが解釈した世界に過ぎない。つまりあなたが世界を作っているようなものだ。そういう意味ではこの世界はあなたの夢でもある。だからこそ、全ての原因はあなたの中にあり、全ての決定権はあなたにあり、全てはあなた次第で大きく変わるという事を心得ておきなさい。